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【工務店経営者・法務担当】|よくある8つの質問に<工務店顧問>弁護士が答えます

2025.12.05
  • クレーム対応
  • トラブル防止
  • 訴えられた時の対応
  • 顧問契約

■|はじめに

工務店の経営では、日々の業務の中に法律的なリスクが潜んでいます。お客様との契約、下請け業者とのやり取り、工事代金の支払い、労務管理、クレーム対応など、いずれも一つの判断ミスがトラブルに直結しかねません。

「このままで大丈夫だろうか?」
「弁護士に相談したいけど、費用が気になる…」

そんな声をよくいただきます。今回は、実際に工務店を顧問先としている弁護士が、現場から寄せられる“よくある8つの質問”に答えます。日常業務の中で同じような悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。


Q1.契約書はネットのテンプレートを使っても大丈夫ですか?

A) おすすめできません。

工務店の契約書には、建築業特有のリスクが多く含まれます。契約不適合責任、追加工事の扱い、遅延損害金など、請負代金の変更等、条項一つで結果が変わることも珍しくありません。

ネット上のテンプレートは、一般的な請負契約を想定したもので、御社の業務実態に合っていないことが多いのです。ネットのテンプレートに、お施主様との合意内容が書かれておらず、合意自体が否定されることもありうるところです。

弁護士に依頼することで、御社の業務内容に合わせた契約書をカスタマイズでき、トラブルを未然に防ぐことができます。


Q2.追加工事の請求を断られた場合、支払ってもらえますか?

A) お施主様と合意があれば、請求は可能です。

工事中の追加作業は、現場でよく発生します。しかし、元々の契約内容に含まれていたのか、それとも含まれていないものの、サービス工事の対象か等で争いになることが多く、書面で合意していない場合、「言った・言わない」の水掛け論になりやすく、トラブル化することが多くあります。

そのため、必ず「追加見積書」を提示し、お客様の同意をメールや署名で残すことが重要です。このとき、追加工事に関する契約書を作成できるのが一番ですが、メールのやりとり等でお施主様から追加工事の発注があり、御社が受注したことが分かるだけでも十分証拠となります。現場監督や営業担当が即時対応できるよう、御社内で「合意書式」や「報告フロー」を整備しておくと安心です。


Q3.工事代金の支払いが遅れているお客様への対応は?

A)支払いの催告を早めに行いましょう。

支払いが滞っているのに、「様子を見よう」と放置すると、回収可能性が下がっていきます。もちろん、お施主様にも事情があるでしょうから事情を伺い、一定期間、支払期限を延ばす等の対応も有効ですが、一定期間経過後は、キチンと請求することが重要になります。

支払いがないことは、お施主様側の契約違反となりますので、工事の中断のほか、最終的には契約の解除等も検討することになります。いつ、幾らを請求したかは御社にとって重要な事実になりますので、請求書面を写しを残しておくことは重要です。請求しているのに支払いがない場合、最終的には仮差押や裁判の提起等の法的手段を検討することになります。

顧問弁護士がいれば、段階ごとに相談ができますので、未回収のトラブルの回避にも繋がります。なお、未払金の請求に関して内容証明郵便を使うことについて相談を受けますが、これはケースバイケースです。弁護士は、内容証明郵便の効果的な使い方も熟知しておりますので、気軽にご相談ください。


Q4.下請け業者とのトラブルを防ぐには?

A)法律が法律が求める対応が必要となります。

「長年付き合っているから大丈夫」と思っていても、トラブルは突然起こります。工事の作業範囲や単価の認識がずれた結果としてトラブルになることや、支払遅延もトラブルの一因です。そもそも、下請け業者との関係には、いわゆる下請法が適用(2026年1月からは「中小受託取引適正化法」に改正されて、施行されます。)されますので、この法律に基づいた対応が必要になります。

労務費や原材料費等のコストアップを原因として下請業者から価格協議の求めがあった場合、元請業者としては協議に応じる必要がある等、法律の改正により元請業者の義務が拡大されます。顧問弁護士がいることで、法改正に基づく新たな対応についても気軽に助言をうけることができます。


Q5.お客様から「工事に欠陥がある」とクレームを受けたら?

A)まずは事実確認と記録化を行いましょう。

感情的な対応は禁物です。感情的な対立は、問題の解決を長引かせるばかりか、解決にかかるコストも増加しかねせん。まずは、現場写真・施工記録・やり取りの履歴を整理し、事実を客観的に確認することが第一歩です。顧問弁護士に相談することで、工事に瑕疵があるのかどうか、瑕疵があるとして謝罪を含む対応策について助言を受けることができます。


Q6.従業員の労務トラブル(残業・解雇)に注意すべき点は?

A) 建築業は労務リスクが非常に高い分野です。

現場作業では長時間労働や安全管理が問題になりやすく、労働基準監督署からの是正勧告が出るケースもあります。日報の管理、残業時間の把握、安全教育の実施が基本です。

また、解雇や雇止めに関しては、労働基準法で手続が厳格に定められています。
顧問弁護士は、普段から企業の労務問題に携わっていることが多いため、労務相談を随時行い、トラブルの芽を早期に摘み取ることが可能です。


Q7.SNSや口コミサイトで誹謗中傷を受けたら?

A) 法的手段で投稿削除や発信者特定が可能です。

「対応が悪い」「欠陥工事だった」などの投稿がSNSに載ると、信用を大きく損ないます。感情的に反論するよりも、冷静に法的手続きを取ることが最善です。

顧問弁護士を通じて、法律(いわゆる情報流通プラットフォーム対処法等)に基づき、運営会社への削除要請や、発信者の特定請求を行うことができます。放置せず、早期に対応することで reputational damage(評判被害)を最小限に抑えられます。


Q8.工務店でも顧問弁護士は必要ですか?

A)トラブルの“予防”という観点で、非常に有効です。

顧問契約の魅力は、「何かあってから」ではなく、「起こる前に相談できる」こと。

契約書のチェック、クレーム対応の方針、従業員対応などを日常的に相談できる環境が整えば、結果的に法的リスクを大幅に減らせます。また、トラブルが発生した場合も、顧問先であれば迅速に対応が可能です。

「法務担当のように使える弁護士」を持つことで、経営の安定と信頼性が格段に向上します。


■|まとめ

工務店経営において、法的トラブルは避けて通れません。
しかし、ほとんどの問題は“事前の備え”で防げるものです。
契約・代金・クレーム・労務──これらを適切に管理する仕組みを整えることが、安定経営の第一歩です。

工務店に強い弁護士がサポートします。
契約書の整備からクレーム対応、労務リスク管理まで、建築業特有の課題に精通した弁護士が、貴社の“法務の現場監督”として伴走します。

お気軽にご相談ください。

◉弁護士 関口康晴(西村・町田法律事務所)☛ お問い合わせ | 建築現場レス Q 

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