3大トラブル❶ 【瑕疵担保(契約不適合)責任】
- トラブル防止
- 民法改正
「民法改正前の契約書を、ずっと使っていて大丈夫??」
このサイトを立ち上げて、大きなトラブルを防ぐ予防法として契約書を積極的に活用していただくことを呼びかけています。とくに、建築現場では動く金額が大きいため、いったんトラブルになると、会社の経営に直結しかねません。裁判で回収することもできますが、解決までに時間がかかりますので、できるだけ裁判になる前に対策をする必要があります。
ところが、古い請負契約書を使っていると、契約書が民法の改正に対応していないことがあります。そのため、定期的に最新の契約書にアップグレード(更新)されることを、基本ルールとしていただくことをお勧めしています。契約に関係する法律の一つである民法は、2020年に大きく改正されました。建築に関係する「請負」の部分も例外ではありません。
今回は、建築トラブルで訴訟に発展しやすいといわれる3大トラブルの1つである【建物の瑕疵】にスポットを当てて、改正された民法で、建物の瑕疵がどのように扱われるかについて整理してみました。
これまでは、建物の瑕疵は、契約違反(債務不履行)ではあるものの、民法が定める特別の責任という位置づけで整理されていました。しかし、今回の改正で、建物の瑕疵も契約違反(債務不履行)の一般のルールで解決されることになりました。
上記の表を見ていただくと、変更点は、担保責任の対象や責任の内容を含む、トラブルの際の対応に影響する重要な事項が含まれていることがわかります。
契約書は、法律の内容がそのまま書かれたものが少なくありません。そのため、古い契約書を使っていると、例えば、瑕疵が重要でその修補に過分な費用がかかる場合でも修補しなければならなくなる等、改正後の民法のルールとは異なる義務を負うことがあります。
このほか、改正後の民法では、建物に瑕疵があるかは、契約を結んだ目的から判断されますので、これまで以上に契約の内容が重要になってきます。上に見たように、改正後の民法のルールとは異なる義務を負うことを避けるためにも、法律が改正されたタイミングで、一度、現在使っている契約書を見直し、最新の内容にアップグレード(更新)した契約書を使用することをお勧めします。
今後も、こちらのブログでは、建築現場の皆さまに向けた、役立つ法律・契約書関連の情報を発信していきたいと思います。では、また次回。
Y.SEKIGUCHI